ばあちゃんが残した800枚の絵をフォトブックにするまで
1年とちょっと前の8月15日、朝起きたらばあちゃんが亡くなってた。 葬儀や納骨が終わって少しだけ儀式が落ち着いた頃、母が部屋を掃除したところ、油絵が出てきた。しかも大量に。ばあちゃんの絵の部屋、倉庫、押入れ、どこ開けても絵が出てきた。だいたい800枚くらい。 まだまだばあちゃんの死を受け入れられなくて、何かこの絵をこのままにしておくのはもったいなくて、フォトブックにすることにした。
11月~2月 絵の撮影
まずは絵を写真ですべて撮影をする。 なるべく写真そのまま使えるよう、お家撮影セットを作った。 ホームセンターでベニア板と壁紙、何かをひっかけるアレを買ってきて、デスク用のライトで照らす。これで絵を撮影した。
だいたいばあちゃんが描いたジャンルは花、人物、人形、モノ(静物)、風景みたいだったので、ジャンルごとに撮っていくことにした。何に使えるかわからないけど一応番号をつけながら。
一枚ずつ番号をつけながら撮影していく過程で「この絵いいね」「これひいおばあちゃんのこと?覚えてる?」なんてひとつひとつ絵を見れた。 月1,2回実家に帰って少しずつ撮影していった。なかなかかかって結局ずいぶんかかってしまった。
6月~ 絵の整理・加工
だいぶ時間が空いてしまった。ちょっと絵を撮り終えて気が抜けてしまったがまだ仕事は終わってない。 写真を整理してみると、明るさはバラバラ。朝撮ったものもあれば夜撮ったものもあって。お家スタジオには入らない大きさの絵もあって、電球の暗い玄関で頑張って撮ったのもあった。 それに歪みがひどい。私が撮ったやつまじひどい。綺麗な正方形になってない。 ということで明るさ調整&歪み調整が必要になった。800枚。 明るさを調整した写真を… 切り取る 歪みを調整して 長方形に修正。
photoshopで機械のように処理した2週間。 本当はスクリプトとか書いて自動化できたのだろうか?と思ったが私の実力ではわけわからず、ショートカットを設定するしかできなかった…。 なかなかに辛い&気が遠くなる作業だったが、また絵を一枚ずつ眺める機会ができてよかったと思う。
7月~ レイアウト&発注
気の遠くなる作業が終わった後は、レイアウトを作る作業だ。 発注はapple photobookサービス。 www.apple.com
apple photobookサービスは自動でレイアウトが組まれたのを選べるのだが、キャンバスのサイズが縦横比が自由すぎて、絵をだいぶ削る必要がありそうだった。また、7月末の一周忌に間に合わせたいという母の要望を叶えるため結構なタイトスケジュールであったため、自分でレイアウトを組んだ方が早いと判断し一枚ページとして作ることにした。 イラレでなんとなくレイアウト組み… こんな感じにして入稿!
混んでいる時期だと2週間くらいかかると聞いたので早めに急いで出したけど、結局5日で来てappleすごい。
完成
150ページくらいの大作になった。(デフォルトは20ページ) 同じページを2枚入稿してしまったことと若干の日付を間違えてしまうドジっ子は許してもらった。
手元にコンパクトで置いておけるフォトブックにできたこと、なによりばあちゃんの油絵キャンバスをデータ化できたことはちょっとホッとしたかもしれない。 結構好きな絵がみつかったこと。家に絵を飾るって結構いいかも。なんて。 せっかくだからもらってくれる人がいないかな、なんて。 せっかくたくさん家にある絵を活用したいななんて思う夏の終わりなのでした。